LSIC
のインストールパソコン教室にはMSC(マイクロソフトC)というC言語の処理系がインストールされています.プログラミング能力を付けるには,授業時間だけでは全く不十分なので,かなりの時間自習する必要があります.自習にはパソコン教室が利用可能ですが,最近かなり混み合っていますし,利用時間も限られているため,いつでも使えるというわけにはいきません.やはり,自分専用のパソコンがあるのがベストです.
ところで,自分のパソコンがあっても普通はC言語の処理系が付いていないので,そのままでは,C言語の自習に使えません.C言語を使えるようにするには,C言語の処理系(ソフト)を購入し,自分のパソコンにインストール(そのソフトを使えるように設定すること)しなければなりません.
パソコンでよく使われているC言語の処理系としては,Visual C++やC++Builderなどがあります.
ここでは,MS-DOSの練習も兼ねて,「LSICお試し版」というC言語処理系のフリーソフト(ただで使えるソフト)を配布します.LSICお試し版は,LSICという商品の機能限定版です.グラフィックができないなど,製品版とは違いますが,C言語の自習用には十分な機能を持っています.ただし,LSICはMS-DOSで動きますので,NECの98シリーズかDOS-Vパソコンなど,MS-DOSが稼働しているパソコンが必要です.(Macintoshでは使えません.)また,LSICお試し版は16ビットコンパイラなので,大きなプログラムや大きなデータを扱うプログラムなどには利用できません.
以下,LSICお試し版のインストール例です.
(注意:ログイン時にグループ名を入力してあること!)
以下,
MS-DOSで,copy c:\cai\1\*.* a:[Enter]
(あるいは,
Windowsのエクスプローラでコピーする.)以下,カレントドライブをフロッピーディスクにして,
a:[Enter]
4. インストール(ファイルの展開)
lha x lsic86.lzh[Enter]
5. 環境設定(パスの登録)
start[Enter]
以上で,フロッピーで
LSICを使えるようになったはずです.2回目以降は,上記の5だけ実行すれば,Cが使えます.LSICのコンパイル・リンクコマンドは,lccです.以下,コンパイルと実行の例です.
コンパイルの例:
cd test[Enter]
lcc foo.c[Enter]
実行の例:
foo[Enter]
この例では,フロッピーで実行するため,実行速度が遅くなります.自分のパソコンを持っている人は,より快適に使うために,自分のパソコンのハードディスクにインストールすると良いでしょう.ハードディスクへのインストール方法は,
READMEファイルに書いてありますので,それを参照してください.
start.bat
についてMS-DOS
で拡張子.batのファイルは,バッチファイルと呼ばれ,コマンドとして利用できます.MS-DOSでは,コマンドを次々に入力していくことにより,コンピュータを動作させますが,いちいちキー入力しなければならないため,少し長いコマンドを入力するときや,複数のコマンドを入力しなければならないときは,キー入力が大変になってきます.そこで,キー入力を軽減するために,キー入力内容をあらかじめファイルに記入しておき,そのファイル名をキー入力するだけで,そのファイルに書かれているコマンドを順次実行できるようにするのがバッチファイルです.
start.bat
ファイルの内容は,set path=\bin;%path%; |
となっており,
MS-DOSで,start[Enter]
とキー入力したときと
set path=\bin;%path%;[Enter]
とキー入力したときは,全く同じ結果になります.
set
は環境変数を定義するためのコマンドで,pathは環境変数の一つです.また,%path%は現在の環境変数pathの内容を表します.従って上記コマンドは,「現在のpathの内容に\binを追加せよ」という意味になります.path
環境変数は,コマンドが置かれているディレクトリの集合を表しています.あるコマンドをキー入力したとき,MS-DOSは,まずカレントディレクトリにそのコマンドがあるかどうか探し,なければ,pathの内容を見て,そこに書かれているディレクトリに順にそのコマンドがあるかどうか探しに行き,あればそのコマンドを実行します.もしなければ,「コマンドがない」ということになります.pathに書かれていないディレクトリにそのコマンドがあっても,MS-DOSはそのコマンドを見つけることができないのです.LSIC
関係のコマンドは\binディレクトリ(カレントドライブのbinディレクトリ)にあるので,そのことをMS-DOSに知らせるためのコマンドがstart.bat
なのです.